<クロネコヤマト>『利益なき超繁忙』!値上げ検討 背景にネット通販の広がりと人手不足・再配達も足枷に!

 

 

ヤマト運輸が宅配便の基本運賃を、9月末をめどに引き上げる検討に入った。インターネット通販大手のアマゾンジャパンと契約した2013年以降、宅配便の荷物が急増し、人件費がかさむなど経営を圧迫しているためだ。運賃値上げで通販業者のコストが増えれば、「送料無料」など現行のサービスが見直される可能性もある。

 

「『利益なき超繁忙』に陥っている」。ヤマト関係者は7日、ヤマトの現状をこう指摘した。荷物急増で売り上げは伸びているが、コストがかさんで利益は減っているためだ。

ヤマトの宅配便はアマゾンなど法人との契約が9割を占める。荷物の大きさなどで決まる基本運賃は法人、個人ともに適用されるが、法人は取扱個数の増加に応じて割引になるしくみ。ヤマトの大口顧客のアマゾンジャパンは、2016年の売上高が前年比3割増の107億9700万ドル(約1・2兆円)となり、初めて1兆円を超えた。アマゾンの荷物をほぼ一手に引き受けるヤマトの取扱個数も急増しているが、運賃の割引も大きくなるため、荷物1個当たりのもうけは減ってしまう。配達員の不足にも拍車がかかり、配達員を増やしたり、外部業者に配達を委託したりした結果、ヤマトのコストは膨らんだ。

 

ヤマトは、アマゾンの売りである東京都心部での最短1時間での配達や、有料会員向けの無料配達を支えてきたが、利益が削られる中、値上げなしで現状のサービスを維持するのは困難と判断した。消費税増税を除けば1990年以来、27年ぶりに基本運賃を引き上げるとともに、アマゾンなど大口顧客と割引率の引き下げ交渉を始めている。

アマゾンはヤマトとの運賃値上げ交渉について「ノーコメント」としている。交渉が難航し、アマゾンが日本郵便などに乗り換える可能性もあるが、「ヤマトほど全国に配送網を持ち、配達時間指定に対応できる業者はいない」(流通大手幹部)とされ、アマゾンとしてもヤマトと交渉せざるを得ないとみられる。

 

通販業者が値上げを受け入れた場合は、消費者に転嫁するかどうかが焦点だ。送料無料は消費者へのアピールになるだけに、4999円以上の買い物の送料を無料にしているファッション通販サイト運営業者は「料金がどうなるかはコメントできない」と慎重に検討する方針。大手家電量販店の担当者も「最も影響を受けるのはアマゾン」と述べ、アマゾンの対応を見極めたい考えだ。【川口雅浩、寺田剛】

◇人手不足や人件費増は業界共通の悩みだが…◇

 

宅配便業界では、2015年の取扱個数のシェアでヤマト運輸が46.7%とトップ。2位の佐川急便(32.3%)、3位の日本郵便(13.8%)は今のところ値上げを検討していないという。ただ、最大手のヤマトが値上げに動いたことで、同業他社の動向が注目される。

 

佐川急便はかつてアマゾンの商品の宅配を請け負っていたが、13年に撤退。「アマゾンはサービスの要求水準が高いうえ、取扱個数が多いため運賃の割引が大きく、宅配業者が収益を上げにくい」(業界関係者)ためとみられる。佐川急便は「荷物は増えているが、現時点で運賃を値上げする話はない」と説明する。

日本郵便も「人件費は上がっているが、(値上げは)今のところない」という。

 

しかし、宅配業界関係者によると「大口の法人の運賃は、ライバル業者の料金も参考にして決まる」。アマゾンの荷物が急増しているヤマトほどではなくても、人手不足や人件費増は業界共通の悩み。ヤマトが値上げに踏み切れば、他社も追随する可能性がある。

 

 

 

記事・画像引用・参照元 Excite News<毎日新聞>【川口雅浩、田口雅士】

http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20170307/Mainichi_20170308k0000m020124000c.html