長期金利1%上昇で23兆円含み損 日銀“債務超過”の現実化が迫っている!

 

日銀の黒田東彦総裁が久しぶりに市場の関心を呼んでいる。10日の衆院財務金融委員会で、民進党の前原誠司氏の質問に答える形で、「長期金利が1%上昇したら、日銀が保有する国債の評価損が23兆円程度に達する」と明かしたのだ。

 

日銀は17年3月末時点で、国債を約370兆円保有。発行残高の40%強に相当する。

 

「あそこまでハッキリ言うとは驚きでした。ただ黒田総裁は、日銀は償却原価法を採用しているので、評価損は決算に影響しないと話しています。とはいえ、23兆円の含み損は無視できない巨額さです」(市場関係者)

 

長期金利が2%上昇したら、日銀の含み損は単純計算で倍の46兆円になる。

 

「資産が激しく目減りすることになるので、日銀は大幅な実質債務超過に陥ります」(ニッセイ基礎研究所シニアエコノミストの上野剛志氏)

 

通貨の番人である中央銀行が“債務超過”――。東芝のような一般企業だったら上場廃止や経営破綻がチラつき、投資家は株を投げ売りしかねない。

日銀のバランスシート(16年9月中間期)に記載された自己資本(資本勘定、引当金勘定)は7兆6764億円だ。この数字を超える負債を抱えると債務超過となり、市場は倒産予備軍と判断する。

 

「仮に23兆円の“損失”が生じれば、日銀は10兆円を超す債務超過に陥るでしょう」(前出の市場関係者)

 

ところが黒田総裁は決算上の問題はないと言い放ち、危機意識はゼロ。あくまで含み損なので、実害はないと踏んでいる。

 

■ハゲタカ勢の容赦ない日本売りで国債暴落危機■

 

「大間違いです。中央銀行が実質的に巨額の債務超過に転落するのです。日本円の信用はガタ落ちします。一部では、国債やETF(上場投資信託)など500兆円規模の資産を保有しているから、実質的な債務超過など問題にならないという見方がありますが、決してそんなことはありません。海外ハゲタカ勢は、ここぞとばかりに“円売り”を仕掛けてきます。通貨危機に直面する恐れがあります」(株式アナリストの黒岩泰氏)

1992年、米ヘッジファンドが暗躍したポンド危機では、英ポンドは対ドルでわずか半年の間に約25%下落した。現在のドル円水準は1ドル=113円前後。25%下落で、1ドル=141円だ。

 

「いったん円売りが始まったら150円、160円、200円と進行する恐れがあります。ハゲタカは過去に何度も円売りを仕掛け、そのたびにはね返されてきた。エネルギーはたまりにたまっています。通貨が急落したら、国債も強烈な売り圧力にさらされます。日本国債暴落の始まりです」(金融関係者)

 

日銀の実質債務超過で、日本経済はパニックに陥るかもしれないのだ。「債務超過は経営の失敗にほかならない」(株式評論家の倉多慎之助氏)との指摘もある。

 

総裁は立場上実際の影響については、話せないのだろうが、黒田総裁は肝に銘じた方がいい。楽観できる状況ではない。

 

 

記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/205134