調べてみました!温泉の入浴回数、多いほど長生きできるのか!?
環境省によると、2015年3月時点で日本には温泉地が3088カ所、源泉が2万7367カ所、温泉施設が2万1161カ所あります。日本人にとって温泉は身近な存在だ!温泉が個人レベルの健康にどう影響したかをそれぞれ検証したものはありますが、集団レベルに対する影響を調べたものは少ないようです。
探してみると、温泉を使った健康増進施設がスタートしたばかりの富山県の町(人口約1万人)で調査が行われていました。「温泉は健康寿命の延伸に寄与するか−温泉を利用した健康増進施設を開設したJ町の3年間の追跡調査−」(日本温泉気候物理医学会雑誌第69巻3号06年5月)です。この町では施設を利用したことのある住民が過半数に達する点が特徴で、温泉を利用しない人を含めて40歳以上の全住民を調査対象としました。健康寿命とは日常生活において制限のない状態で暮らせる期間を指します。
論文によると、01〜04年に(1)死亡(2)骨折(3)脳卒中(4)認知症(5)福祉施設入所(6)長期入院(7)寝たきり(8)糖尿病−−の発生状況を把握し、各人の運動習慣や生活の質に関して調整をかけた上で、温泉の利用頻度の高い人たちの死亡、骨折、脳卒中の発生は少ないという結果が出ました。
温泉の中には特に療養に役立つ泉質を持つ「炭酸水素塩泉」や「硫黄泉」といった「療養泉」(10種類)があります。病気が治るというよりも、冷え性や切り傷、胃腸機能の低下などの症状や苦痛の軽減、健康の回復や増進といった効能・効用があります。質問にあった「寿命を左右する温泉の成分」という考え方はありません。温泉の特徴を知って目的に合わせて利用するとよいと思います。ただし、病気の時に入浴すると症状が悪化する場合もあるため、温泉療法医といった専門的知識のある医師に指導を受けることをお勧めします。
引用・参考元 毎日新聞 【大谷麻由美】
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