紅葉を見に岩手山麓をめぐる!
◆◆◆ みちのく通信!!!◇◇◇ (盛岡赴任中の記事)
今日は朝7時前に出発。珍しく思い切りのいい出発だった。今日のキーワードは、[紅葉] 兎に角北の方向に走る。国道4号から,「滝沢分かれ」を,直進。282号線を北上。西根インターを超えて少し行ったら、「焼走り熔岩流」の案内板が眼に入る。急遽左折[ことほど左様に無計画]。牧草地の中を走り抜ける。真正面には,岩手山がどっしりと腰を下ろしている。思わず写真を撮る。
焼走りとは、信州の浅間山で言えば,<群馬県になってしまうが>「鬼押し出し」みたいな感じのもので、岩手山の北東面の二箇所から噴出した熔岩が流れ出た跡である。享保4(1719)年の大噴火の際に,流れ出た熔岩が、長さ4km巾1、5kmに亙って流れた跡である。熔岩の中から松の木などが、ポツンと顔を出しているのだが,熔岩は黒々して,そんなに昔ではなく,2・30年くらい前に、流れ出したものかと思うほどだ。「鬼押出し」と違って,余り大きな石はなく比較的小さな石の群であった。国の特別天然記念物の指定を受けている。
展望台の傍には,宮沢賢治の「熔岩」の碑が立っている。展望台に立っていると,後から登ってきた人が「おはようございます」と声をかけてくれた。返事を返して,私は展望台を降りたのだが,車のところへ戻ったら,先ほど声をかけたくれた人の車があり,何と、「松本ナンバー]だった。少し待っていたら,戻ってきたので、「信州からきたのですか?]と声をかけた。「3日ほど山形に仕事に来て,折角だからここまで来て見たんですよ]と言う事だった。「そうですか大変ですね。私も信州出身なんですよ]といったら,大阪ナンバーが眼に入ったのか、不思議そうな顔をしていたので,大阪ナンバーの経緯[今日と赴任中高槻に住んでいたがその時購入したので]を話した。「私は茅野なんですよ]と言う事だった。別れ際「お気をつけて」と言われ、相手の方が、距離が遠いのに,こちらから言うべきだったなと思いつつ、ご配慮が嬉しかった。
そこから八幡平を目指そうとしたが、道が解らず,「えい!!侭よ!!!」とばかり,適当に走っていたら,松川温泉の標識が目に入ったので,「八幡平も,松川も大して差がねえ!!!」とばかりに、一気に突き進む。この大雑把な事よ!!! 将に無手勝流!!! ←無計画というか、計画というのを知らない奴なのです!
岩手山は盛岡や西根方面から見ると,まるで優美な姿をしていますが,松川温泉を目指すに連れ,その姿を大きく様変わりさせ,同じ山かと思うほどの違いを見せます。浅間山もそうですが,稜線に奇岩があったりしますが,岩手山の場合は,極端に稜線が落ち込み,ざっくり抉れている様です。まるで表からの優美な山容からは想像がつきません。違和感がある。
北アルプスの常念岳も,松本から見ると,正三角形の優美な山容ですが,たとえば豊科・穂高・松川村辺たりから見ると,三角形を頭にして,そこからドーム型に伸びる山容は,余りにも松本から見たときとは,異なり違和感[ある意味ショック]を覚えましたが、岩手山の場合はそれ以上に落差があります。
松川温泉に向かうほどに,紅葉は濃くなり,「森の大橋」から、数十メートル下の流れに沿う紅葉は見事でした。そこから少し行ったところの河原には,玄武岩が筋状になった岩壁があり,そこの紅葉も映えて1段と鮮やかでした。
峠道を超え,漸く松川温泉に着きました。2.3軒の宿しかない鄙びた温泉です。この松川温泉とは岩手山の頂上を挟んで反対側に,網張温泉と言うところがあり,其の先に,玄武洞・鳥越の滝とかがあるのですが,ここら辺の岩手山の山肌からは烈しく蒸気が噴出しています。松川温泉も,同じく白い蒸気をモクモクと噴出しています。ここには日本重工業の地熱発電所もあるのです。この発電所は,日本で最初の地熱発電所です。展示館もあり入って見ました。私の神社仏閣名所旧跡巡りも偶には格調高く学問的な面[?]もあるのであります!!! はっはっは!!!
そこからダンダリ沢から、藤七温泉<八幡平>に抜ける山岳道路があるのですが,途中からは紅葉どころか,広葉樹其のものがなくなってしまいましたので,Uターンして,松川温泉に戻りました。
そこから来た道を戻り,松尾村に出ました。そこには「釜石環状列石群」なるものが地図上にはあるのですが,幾ら探しても解りません。一時は諦めましたが、それでもと思い,引き返して見ましたら,道路から少し入った目に付きにくいところに,案内板があり、車を入れ少し走りましたが、それらしき物がありません。また戻って案内板をよく見ると,何と隣接する公園に,移設復元展示してあると言う事ではありませんか。もともとあった場所は,単なる林になっていて,何ら整備されていません。前に行った秋田県の「大湯環状列石群」とは格段の差です。
大湯の方は、規模も大きかったのですが,きちんと,博物館までも併設されていて,こことは大違い。仕方がないのでその公園に行って見ました。そうしたら,公園の一角の芝生の中に,円状に並んだ,石群がありました。私は元にあった場所にあってこその遺跡と思いました。一寸怒りモード。
ここに来たのが2時頃。盛岡から、30kmくらいのところだから,ここで打ち上げて帰ろうとも思いましたが、淨法寺町の「天台寺」に行ける距離と時間だと思い,282号線に再度出て、左折、そのまま約30km北上しました。安比<あっぴ>高原を抜け少し走ると,途中「不動の滝」と言う案内板が目に入る。またまた急遽右折。4km先にそれはありました。
282号線に戻り,ただ簸たすら走る。ここを通ったのが、3時半。「最初に室生寺に行ったときの事」が頭を掠める。4時には着かんと拙いなあと思いながら,ぶっ飛ばしていたら,何と,「鹿角市」の標識。これは道を間違えたと思って即引き返す。丁度地図帳の境目になっていて,安代からの分岐点を見過してしまったのだ。往復10kmのロスを出し,悔やみながら,6号線の分岐点まで戻る。まだ17kmもある。漸く淨法寺町に入ったが未だ8km先だ。漸く入り口に着いたが、てっきり,6号線に面してあるのかと思っていたが、右折しても,参道という形にはなっているのだが、山道に入り,本当にこの先にお寺などあるのかと思うほどの心細い山道。
漸く駐車場についたが、ココからまた少し歩くらしい。それにしてもお寺らしい雰囲気は微塵もない。直も心細い気持で進んでいったら階段に出た。時間は4時半。大丈夫かなあと思って急ぎ足で階段を上っていったら,息が弾み、拝観料を払うときに,笑われてしまった。何せ室生寺では4時<冬季>に間に合わなくて締出しを食ってしまったからなあ。
この天台寺は,かの瀬戸内寂聴が住職を務めるお寺である。よく法話などをしているらしいが、今日は法話どころか,拝観時間も間に合うかどうかという時間なので、勿論そんな場面を期待するどころの話しではない。焦って境内をまわる。ご本尊は、素朴な木像だった。
ここには「桂の涌き水」とか,「土踏まずの塚]とかいろいろあったが、暗くなりつつある山道にも分け入ってしっかりと見てきた事はいうまでもない。ここを出たのが、5時近く。盛岡までの60kmをただひたすら入って帰って来ました。それでも4号線に出る<滝沢分かれ>までは,全然混まず,信号も余りなく,1時間半で帰れました。
今日も行き当りばったり[何時もそうですが]にしては満足のできる1日となりました。
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