【健康のために知っておこう!】 トランス脂肪酸による代謝異常(障害)
ニューヨーク市は、2006年12月6日、世界で初めて、自治体として、レストランにおけるトランス脂肪酸[Trans Fatty Acid]の使用を禁止しました。更に2007年1月1日からは、全ての食品にトランス脂肪酸の含有量の表示義務を課しました。シカゴ・ロスアンゼルスでもこれに続きました。該当するレストランとは、テイクアウト出来る店を含めて全店です。トランス脂肪酸とは多くの外食産業で使用されている調理用油脂のことです。液状の不飽和脂肪酸固める為に水素を添加して飽和脂肪酸に変化させるのですが、その過程でトランス脂肪酸が発生します。
自然界に存在する全ての油は「シス型」と言って、分子結合が蹄鉄型の立体構造をしているのに対し、トランス型は不自然な直線[プラスチックと同じような分子構造をしている]になっていて自然界には存在しないものです。どんな使われ方をしているかというと、マーガリン、ショートニング、植物油、サラダドレッシング、スナック菓子、フライドポテトなど、子供たちが喜んで食べるものばかりです。ではトランス脂肪酸の何がいけないのか?
主な問題点は、「悪玉コレステロール値」を上げると一般的に言われていますが、実はそれだけではありません。致命的なのは、「免疫能を低下させ、感染症や、癌などのリスクを高めてしまう」ことにあります。更にトランス脂肪酸が、細胞の成分として機能すると、細胞膜を変化させ、細胞内膜への浸透性や、生化学構造が狂ってしまうことが解かっています。其の為今まで細胞内に浸透できなかったウイルスや、バクテリア、有害物質(化学物質)などが、簡単に細胞内に入り込んでしまい、本来入るべき栄養素などがブロックされてしまいます。これは細胞が本来の機能を果たしていないという意味ですから、その結果、糖代謝の異常(糖尿病など)を誘発したり、更にホルモン異常、生殖機能障害、肝臓障害、血栓のなどの症状の悪化などをきたす恐れがあります。
米国政府は、トランス脂肪酸の1日当たりの許容摂取基準量を「ゼロ」に設定しているだけでなく、米国医学研究上のレポートでは、「安全摂取量などは存在しない」とまで言い切っています。日本でも一応生体に良くないという見解は出ましたが、業者の自主的判断に負うニアンスが高く、行政からの禁止処置などには至っていません。
業者は、例えば、フライドポテトを製造するには、何回揚げても、油を取り代える必要がないので、こんな重宝なものはありません。コストを下げることや、手間を省くことが出来ます。ですからトランス脂肪酸を無くすためには、我々消費者がトランス脂肪酸の生体への悪影響を把握し、それらの商品を買わないようにする事しかありません。メーカーから見れば、幾らコストを削減できるかも知れないが、肝心の売り上げが立たなくては、利益も何もあったもんじゃないので、トランス脂肪酸の使用を止めざるを得なくなります。こういうところにも、「自分の健康は自分で守る!」という事が言えるのではないかと思います。(添加物は行政により、認可されているものです。したがって合法的なものです! 日本での添加物の認可数は数千に及びます! 欧米ではせいぜい2)
※メーカーは、商品の裏などに「成分表<イングレ>」を表示する義務があります。
またトランス脂肪酸は、マーガリンなど具体的な製品という形を取っている物が少なく、加工食品の製造過程に関与する場合が多いため、買い物をするときには、よくイングレ<成分表示>を確認し、買わないことが賢明です。ショートニングや乳化剤などは、半生菓子、菓子、菓子パンなどに殆ど使われています。ドレッシング然り、フライドポテト然りです。従って健康を守る為には、「食」は、人任せにせず、自分で作る様にするというのが、「1番強固な防御」策です! 共稼ぎで「そんな時間おまへんのや!」と言われるかも知れませんが!
※ 蟻も寄って来ない!バターには蟻が群がっています!
(また別の観点からも)現代の子供は、「個<孤>食」が多いと言われます。親からお金を貰って、「好きなものを買って食べなさい!」とか、一人寂しく食事をしている姿です! こういう状況で、何時も出来合いの弁当などを食べている結果、小児糖尿病、小児がんなどが多く発症する傾向にあるのです。人口減少が叫ばれて久しいですが、折角生まれた尊い生命も、こうして危険な目に遭って、日々健康を害しているとすれば、健康はおろか、国の行く末も非常に心配です!
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