ダイエットはむやみやたらに瘠せればいいという事ではない!あくまでも、「健康な体」にするという事でなければならない!
よくテレビで、大食いの番組をやっている。元力士と、スリムな体形をキープしている女性が競争して、元力士の方が負けるという、「ホンマかいな!?」と思わず叫んでしまうような場面によく遭遇する。
同じものを同じように同じ量食べているのに、太っている人と、そうでない人がいる。それはどういう事なのか?その原因は3つある。その1つは「肥満遺伝子」にある。その他には、食べたものが、小腸を通過する時間と、基礎代謝(生命維持エネルギー)量だ。「食べ物が小腸を通過する時間が長い人は、吸収力が高く、太りやすい傾向がある。大食いチャンピオンの女性が、人の10倍くらい食べているのに、スリムなのは、食べ物の栄養分を吸収しないからだ。即ち小腸を通過する時間が短いのだ。
口にした食べ物は、食道を通過し、胃で消化され、小腸で吸収される。小腸の長さは、大体6mくらいあり、5~8時間で通過していく。消化の悪い食べ物の場合は、10時間以上かかる場合もある。この過程を通して、栄養分の90%が吸収される。消化時間にこれほどの差が出るのは、人により、腸の長さが違ったり、食べ物によって、消化のスピードが異なるからだ。
また、腸の運動力の差もある。消化された食べ物を先に送り出したり、消化液と混ぜ合わせるために、「蠕動運動」、「分節運動」、「振り子運動」といった動きを行っている。このような小腸の動きを人為的に変えることはできない。
そうなると、個人の努力によって、最もダイエット効果を出すためには、「基礎代謝を上げる」という事になります。東京慈恵会医科大学大学院教授(健康科学)であり、日本肥満学会評議員の和田高士教授は指摘する。
それにはまず、「食事」と「運動」です。日本肥満学会では、行動療法に沿った食事や運動を提唱しています。また、リバウンドを回避する意味で、1ヶ月1kg、3ヶ月で「3kg、ウエスト周囲径3cm」減らす、「サンサン運動」を展開しています。
ダイエットの目的は、むやみやたらに体重を減らせればいいというのではなく、あくまでも「健康な体」になることに主眼が置かれています。肥満とともに、腹腔内に脂肪が溜まる「ハイリスク肥満症」いわゆる「メタボリックシンドローム」は、高血圧、Ⅱ型糖尿病、脂質異常を伴っているケースが多く、動脈硬化を促進し、心疾患、脳卒中増加の主因になっている。
それを防ぐ意味でも「食事」と「運動」が大切で、肥満学会も力を入れているのです。
※日刊ゲンダイ ダイエットを科学するシリーズ参照。
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