常習的な便秘で悩んでいる人が多いという。女性に多い。快食・快便・快眠が健康のあかしだが、これではとても健康である筈がない。肝臓病の専門家によると、肝臓の病んでいる人の中には、便秘になっただけでも、頭がおかしくなったり、奇妙な行動に走る人もいるというから、たかが便秘と侮ってはいけない。便秘になると、溜まった便から、腸内の細菌の働きで、有害な物質が発生してしまう。その中には脳に影響を及ぼす物質もあり、肝臓が弱く、それらを充分に解毒できないと、便秘の害はますます脳にも達してしまう。
便秘→有害物質の発生→肝臓というからくりは、そのままがんの発症にも繋がっていると言われているだけに、一層たかが便秘などと呑気にしていてはいけない。
癌研究の初期のころ、市川・山際氏の試みた、「古典的実験」というものがある。それはネズミの発癌実験から得たデータである。癌が発症する何か月も前に、先ず肝臓がダメになり、その経過を辿った後に、癌が出てくることを発表した。つまり有害物質は、先ず解毒を担当している肝臓の負担を大きくして、肝臓の機能低下をさせるということだ。ゲルソンは、癌患者の90%は肝臓にトラブルを抱えているといった。
彼らの研究は、癌研究初期のものだが、彼らの指摘の重要性は、最近では当時以上に重要性を帯びてきている。先ず第1に、野菜、果物、無精白穀類の摂取が少なかったり、生活習慣の乱れから、便秘になる人が増えてきている。次に動物性たんぱく質の過度の摂取の問題もある。タンパク質の摂取が多いと、同じ便秘でも、肝臓へのダメージを深刻にする有害物質も、発癌物質もそれだけ余分に発生させてしまう。
快便や、いい便の目安は、1日1回の便通があり、黄金色であること、そうなるように食生活を正すことが必要である。そうすれば病気の発症もかなり抑えることが可能となる。
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