どうなる!年金!退職金! どうする!老後生活!
終身雇用制度の崩壊!退職金も昔のようには貰えない時代、停年退職を数年後に控え、その後の生活に思いを馳せている年代にとって、年金の行方は大変な不安材料になっている。
高齢化についての動向は、あと50年はその傾向は続き、‘60年には65歳以上の人口の全人口に占める割合は、現在の25%から40%になると試算されている。このような状況下で、年金制度の耐久力(持続力)に疑問が出てくる。年金の担い手の人口は下降していくのだから制度自体が存続できるのか心配になるのも無理はない。サラリーマンの平均手取りを、年金受取額として確保すると喧伝する「所得代替率50%」の議論も、将来を悲観させないための、「絵に描いた餅」みたいな役割を果たしているのではないかと勘繰りたくなる。
フィデリティ退職・投資教育研究所が、‘14に実施した、勤労者3万人を対象にしたアンケートによれば、「年退職後の生活は、現在の高齢者よりも悪くなる」と思っている50代の男性の層では、56.7%に達している。もう1つの注目すべき点は、64.7%の50代女性が、現在の高齢者の暮らし向きよりは生活状態が悪化すると答えている点である。女性の方が総じて長生きで、親の介護に加え、夫の介護まで視野に入れなければならないから「将来の不安」がより大きくなっているのだろう!(夫はその点お気軽!?その分妻を大事にせにゃ!)
そのような不安だらけの停年後の過ごし方については、①家族と一緒に過ごし、最後は家族の介護を受ける。②家族と一緒に過ごし、介護が必要になったら、老人ホームに入る。③夫婦のみで生活し、一方が死亡したら、老人ホームに入る。④夫婦のみで生活し、介護が必要になったら、老人ホームに入る。と4パターンがある。①パターンは、最後まで家族の介護を受けたいと思っているが、他の③パターンでは、最後は老人ホームでの生活をと考えている。男性で47.7%、女性で49.5%が考えている結果が出ている。
夫婦の生活をして行々は老人ホームと考える人は、所得が多いほど高くなっている傾向がある。ただ「介護が必要になったら老人ホームに入るという人は、年齢に関係なくほぼ20%であることから、「老人ホームに入って生活する」ことが所得の多さに比例している訳ではなく、逆に「(ホームに入る前の)夫婦だけの生活」が所得に比例している結果になっている。
いずれにしても「夫婦での生活をして、最後は老人ホーム」を望む場合は、夫婦の生活の資金のみならず、妻(とは限らないが、要するにもう一方の)が1人になった時の生活資金も用意する「妻(一方の)専用の資産」も用意しておかなければならない。
これからの経済情勢を考えると余程の準備と資金立をしておかなければ、贅沢は望まなくても老後生活は厳しいものとなる。「自助」などという言葉が頻繁に聞かれる昨今だが、老人の切り捨てを画策しているのではないかと思わざるを得ない。「老人のひがみ」とばかりとは言えない現実がある。
[日刊ゲンダイ 健康コラム 参照]
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