トランプとの良好な関係は“幻想”! 2019年は日米貿易で厳しい要求を突き付けられる!新年早々課題山積み!困難な船出!

昨年から今年にかけて安倍政権では森友・加計問題が注目を集めた。 ともに安倍首相の関与が強く疑われているが、国民の追及は弱い。さまざまな理由はあると思うが、背景には、日本にとっては経済が重要であり、とりわけ対米貿易は不可欠で、トランプ大統領と個人的関係を構築し、良好な日米関係を築いている安倍首相の存在は大きい――と考えているのだろう。しかしこれは「幻想」に過ぎず、明年早々に崩れる事になる。

 米通商代表部は年明け1月から始まる予定の「日米通商交渉」の対日要求事項を正式に公表した。現在、米国は年間約7兆円の対日貿易赤字を出しているが、日本製品が米国で売れているのは、「不当に円安になっている」から、と為替操作が現実化されるのは必定。

 対日赤字の過半を占める自動車については、米国内での「現地生産拡大」を要求。交渉の対象項目は広範で、自動車や農産品、サービスから為替に至る包括的な交渉を進めるとしている。

 一方、日本政府はこれまで、今後の交渉はあくまで物品貿易に限定したものと事実を歪めて説明してきたが、米通商代表部は明確に日本政府の見解を否定したのである。

 トランプは日米交渉で「日本から勝ち取った」という事実を示す必要に迫られている。それを日本国民は自覚すべきだろう。トランプを取り巻く環境を纏めると、次の如くである。

  • トランプの政策は2020年の大統領選で勝つことに焦点を当て形成されていく。
  • 今年11月の中間選挙で、上院は共和党が多数を維持したが、下院は民主党が勝利した。下院は予算・税を審議して上院に提出するため、経済政策は民主党に握られている。他方、上院は条約の承認権限を有するため、これを活用するしか手はない。つまり、貿易交渉の比重が高まる。
  • トランプは大統領選挙で勝利した時、「アメリカ・ファースト」を訴えた。自動車産業を重視し、自動車と関連の強いウィスコンシン、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニア州で勝利した。これらは大統領選勝利に必要な過半数270中の約4分の1に当たる。

対日交渉で、自動車分野で勝利を収めることがトランプには最重要事項となる、読売新聞の世論調査では、最近の日米関係について「良い」「悪い」がともに39%と拮抗し、国民も漸く日米関係の「実体」に気付き始めている。安倍首相は、「世界の安倍」「外交の安倍」を国民にアピールするため、殊更トランプとの友好関係を「作ってきた」が、来年は一段と厳しい現実を突きつけられることになる。蓋し外交手腕が発揮できるか見ものである。

(私見)

トランプ大統領は、自らの大統領選再選を「最重要課題」として今後取組。その為、安倍首相の「(日本)国民に対するアピール」等に付き合っている余裕は無い。安倍首相の姿勢は、兎に角米国の意向に逆らわずに、なんでも意の儘に受け入れて来たが、それがいよいよ現実のものとして、「アメリカファースト」を経済面でも突き付けられる。米国の厳しい要求に晒され、今までの日本国民向けの説明が、「取り繕い」であったことがバレる。トランプには「日本式のウエットさ」はないから、安倍首相との「友情は友情」、それはそれで、「米国の事情(アメリカファースト)」は事情」でこれが最優先という姿勢で極めてドライ。したがって安倍首相は、年明け早々極めてシビアな状況に晒される。ゴルフなどで友好などという手は通用しなくなる。「(自称)世界の安倍」「(自称)外交の安倍」等というのなら、ここで見事に決めてくれ」というのが日本国民の素直な気持ちだろう。

【孫崎享(外交評論家)氏のプロフィール】

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ 

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/244693

画像元 yjimage

https://search.yahoo.co.jp/image/search?p=%E5%AF%BE%E7%B1%B3%E8%B2%BF%E6%98%93%E5%8E%B3%E3%81%97%E3%81%84%E8%A6%81%E6%B1%82%E5%BF%85%E8%87%B3&rkf=2&ei=UTF-8&imc=&ctype=&dim=large#mode%3Dsearch