わくわく天体観測!探査機から送られてきた太陽系の星を観察しよう!「太陽系ツアー」

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我々が住む太陽系は驚異に満ちた場所だ。

数十年もの間、世界中の野心に溢れる技術者や科学者は、新しい発見を期待しながら勇敢な人間やロボットを太陽系の奥深くへと送り込んできた。2016年は宇宙探査の重要な一里塚が築かれた年でもある。

探査機カッシーニはこれまで知られていなかった土星とその衛星に関する真実を明らかにした。NASAのジュノーが木星の詳細なデータを送信している真っ最中だし、NASAニューホライズンズは冥王星の姿を人類に初めて披露してくれた。さらに火星では2台のローバーが過去の生命の痕跡や珍しい地形を求めて稼働している。

こうしたミッションで入手された素晴らしい写真や新しい事実は、地上の人々を分析へと駆り立てている。そして答えが一つ見つかるごとに、いくつもの疑問を浮かび上がらせる。冥王星の近くには他にも準惑星が存在するのだろうか? 火星に生命は存在したのだろうか? 人類は火星まで無事辿り着けるだろうか? 土星や木星の氷の衛星には微生物が潜んでいるだろうか?

さあ、そうした疑問を抱きながら、太陽系ツアーへと出発しよう。

太陽

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2015年、NASAソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーが観測したフレア

地球から最も近い恒星である太陽は40億年以上前、ガスとチリの雲が凝縮することで形成された。この雲はやがて太陽系の残りの部分をも作り上げている。

太陽が最初に形成された後、その周囲の原始惑星系円盤から惑星、原始惑星、彗星が誕生した。そして現在でも、良きにつけ悪しきにつけ、太陽はそこに影響を及ぼし続けている。

地球上に生命の多様性をもたらすのは太陽の光と熱であるが、一度強烈な太陽フレアが吹き付ければ、我々の生活を脅かす。NASAのソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリーをはじめとする観測衛星によって太陽の監視を続け、その謎めいたメカニズムを解き明かすことで、有害なフレアが起きるタイミングを予測しようと試みられている。

太陽の研究からは、はるか彼方にある他の恒星についても知ることが可能で、他の惑星の理解も促進される。

太陽フレアが吹き出す様子
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水星

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2011年3月29日に水星軌道に進入したメッセンジャーの画像

水星は最小かつ太陽に最も近い”大”惑星だ。

クレーターに覆われた灼熱の世界で、地球における88日で太陽を1周する。だが、この月よりもわずかに大きだけの惑星のクレーターの奥底には氷が存在するかもしれない。

NASAの探査機メッセンジャーは2011年から2015年にかけて水星軌道を周回し、最後の仕上げとして意図的に衝突していった。初めて水星に到達した探査機は1974年から1975年にフライバイしたマリナー10号だ。

現時点では水星付近で稼働する探査機は存在しない。だが、きっとそれも今だけだ。

欧州宇宙機関はベピ・コロンボを水星に送り込み、その組成を調査する計画を進めている。順調に計画が進めば、2024年までに2基の軌道船が送り込まれるはずだ。打ち上げは2018年を予定している。

水星:
近日点:4,670万キロ
遠日点:6,920万キロ
衛星数:0個
1年:88日

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メッセンジャーからの画像を着色したもの

金星

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)1990年、ガリレオが撮影した金星

金星は美しい、渦巻きのある惑星だ。

雲に覆われた世界は地球に似ており、太陽系の”双子の世界”と称される。だが、おそらくあなたが行ってみたい場所ではないだろう。

金星表面は462度の灼熱の世界で、気圧もまた凄まじい。NASAによると、地表に立てば深海にいるかのような膨大な圧力を経験できるそうだ。

1978年、ソ連のベネラ12号が金星に着陸。その過酷な環境に敗れ去るまでの110時間に渡ってデータを送信し続けた。ベネラ以外にも金星に着陸した探査機はいくつもある。

現在、日本のあかつきが金星軌道を周回しながら、大気の様子を撮影するなど、雲に覆われた世界の情報を集めている。

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ベネラ13号が撮影した画像を着色したもの

金星:
最高温度:471度
太陽からの距離:1億780万キロ
1年:225日
衛星数:0個

 

地球


Time-Lapse View of Earth’s Limb from the ISS

我々の故郷であり、少なくとも現時点では、人類が住める宇宙で唯一の場所。この星を調べることで、いつの日か宇宙の他の場所にも生命が存在するかどうか判明するかもしれない。

事実、地球の関する知識の多くは、その上空を飛ぶ無数の人工衛星からもたらされた。

人類唯一の故郷
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こうして集められたデータを利用して数百光年先にあるかもしれない”地球の双子”――太陽のような恒星を公転する地球型惑星――のモデルを作ることができる。

もちろん人工衛星データは、主に海洋、雲、森林など常時変化する特徴を観察するために使用される。こうして気候変動や日々の天候の仕組みが明らかになる。

地球と月
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月と地球のチキチキ追いかけっこ
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地球:
太陽からの距離:1億4,970万キロ
1年:365日
水の面積:70パーセント
既知の衛星数:1個

 

火星

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マーズ・リコネッサンス・オービターが捉えた新しいクレーター

人類が次に目指す美しく赤い惑星。それが火星だ。

火星:
太陽からの距離:2億2,850万キロ
平均温度:-62度
1年:687日
直径:6,790キロ

NASAの専門家は火星を今後の目標にしている。今後2、30年で人類を送り込み、直接謎めいたこの惑星を探索しようとしている。

この目標を掲げるのはNASAだけではない。実業家のイーロン・マスク氏もまたいつの日か火星への有人飛行を実現しようと計画を進める。マスク氏の計画ではここに都市を建設し、人類第二の故郷にする足がかりを作ることまで視野に入れられている。

キュリオシティの調査からは、火星は氷河期を経ていたようで、比較的最近において地球から白く見えていたかもしれないことが明らかになっている。また大昔、少なくとも一部では微生物が生存できた可能性もある。

フォボスとダイモスという2つの衛星がある。かつては軌道に捕らえられた小惑星だと考えらていたが、最新データから大規模な衝突の名残であることが示唆されている。その影響で数百万年前の火星にはデブリの輪があったようだ。

現在はキュリオシティとオポチュニティが火星上で稼働。また軌道上からはNASAのマーズ・リコネッサンス・オービターのほか、インドの探査機などがデータを収集している。

スペースX惑星間輸送システムの想像図
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2015年、ハッブル宇宙望遠鏡から撮影
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ケレスと無数の小惑星


Flight Over Dwarf Planet Ceres

準惑星ケレスは昔から準惑星と考えられてきたわけではない。

完全な惑星と考えられていたことも、小惑星と考えられていたこともある。だが現時点では、冥王星と同じく、準惑星に分類されている。つまり衛星ではなく、ほぼ球形であるが、軌道の近くに似たような大きさの天体が存在する。

火星と木星の間にある巨大小惑星エロス
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同じく火星と木星の間にあるベスタ
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ケレスのアップの撮影に成功したのは、2011年から2012年にかけて小惑星ベスタを周回していたNASAのドーンのおかげだ。火星と木星の間には小惑星帯があり、ケレスもそこに存在する。

木星

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太陽系最大の惑星。67個もの衛星を引き連れており、うかつにも近寄る者にとっては非常に危険な存在である。

ジュノーが惑星軌道に進入したとき、木星の放射線によって機器が破壊されるのではないかと懸念された。そこで軌道への進入に耐えられるように、繊細な機器を厳重に保護することになった。

ジュノーが撮影した木星とその衛星
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その甲斐あって、無事進入を果たしたジュノーは今現在素晴らしい木星の接写画像を送り返してくれている。

ジュノーは木星の雲の中を覗きながら、磁場が生まれるメカニズムなど、その核内部の様子を探っている。その前にはガリレオが数年間、木星軌道を周回した後、2003年に大気に突入してミッションを終えている。

木星:
直径:143,000キロ
1年:4,333日
確認済みの衛星:67個
太陽からの距離:7億7,890万キロ

木星最大かつ太陽系最大の衛星ガニメデ
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氷の衛星エウロパ。地下に海の存在が疑われている
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衛星イオ。太陽系で最も火山活動が活発な場所
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衛星カリスト
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土星

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背後から太陽に照らされる土星。カッシーニ撮影

輪を持つ太陽系の驚異の姿は、カッシーニの機械の目を通して捉えられた。

土星はそこから282,000キロも伸びる7つの輪を持ち、1年は地球の29年に相当する。

「1600年代にガリレオ・ガリレイが木星を観測していたとき、彼は両脇に不思議な天体があることに気がつき、手かハンドルらしきものがある3連の天体を描いた」とNASAのサイトで説明されている。「このハンドルが実は土星の輪」であった。

土星:
直径:120,000キロ
太陽からの距離:14億2,580万キロ
確認済みの衛星:53個
1年:10,756日

カッシーニが撮影した土星
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土星を周回する50個以上の衛星も注目に値する。

その衛星と輪は、それ自体が太陽系のようなものだ。カッシーニの白黒のムード溢れる写真がその全体を捉えている。

カッシーニは写真を撮りながら、2017年まで周回し続ける。その後は任務を終えて、土星の大気の中で燃え尽きるだろう。

土星最大の衛星タイタンと最小の氷の衛星エンケラドゥスの地下にはどちらも海が存在しており、生命を宿している可能性もある。

輪の上に浮かぶ土星の衛星エンケラドゥスとテティス
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ディオネの後ろにぼんやり浮かぶ土星最大の衛星タイタン。
その右にはパンドラ、輪の隙間にはパンが見える
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テティス、エンケラドゥス、ミマスが輝く。カッシーニ撮影
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天王星

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天王星のリングが確認できる合成写真

太陽系内の変人だ。

冷たいガス惑星は自転軸が横倒しに倒れている。これは太陽系黎明期に起きた大きな衝突の影響だ。13の輪があり、シェイクスピアやアレキサンダー・ポープの作品にちなんだ名を持つ27の衛星が存在する。

いまだ謎の存在で、これまで送り込まれたのはボイジャー2号のみだ。

天王星:
太陽からの距離:28億9,700万キロ
発見された衛星数:27個
発見年:1781年
1年:30,660日

天王星と衛星。上から下へ、チタニア、ウンブリエル、ポーシャ、ミランダ、パック、アリエル、オベロン

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土星の輪の左上に見える青い点が天王星
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海王星

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ボイジャーが撮影した海王星の姿

青みがかかった氷の惑星で、地球から45億キロ離れている。

強力な天体望遠鏡で大気を覗き込んだ結果、嵐らしき斑点が発見されたが、そのほとんどが謎に包まれている。

NASAによると、海王星はほとんどが水とアンモニアとメタンの分厚く、熱い組み合わせで構成されている。それはおそらくほぼ地球と同じ大きさだが、もっと重い硬い核を覆っている。

天王星と同じく、海王星に接近したのはNASAのボイジャーのみである。

海王星:
太陽からの距離:45億キロ
1年:60,200日
衛星数:13個
発見年:1846年

青い大気の高高度には白い雲が浮かぶ
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冥王星、カイパーベルト、その先

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太陽の逆光を受ける冥王星。ニューホライズン撮影

人類が冥王星の直近の姿を目にしたのは2015年になってのことだ。

同年7月、NASAのニューホライズンズが接近し、史上初めて間近から見た表面の様子を捉えてくれた。

そこで発見されたものは、誰も予測しなかったものだ。

冷たいクレーターだらけの岩石ではなく、水の氷でできたそびえ立つような山脈や、下に活発な地形を隠した凍てついた窒素の平原というダイナミックな世界が広がっていたのだ。

太陽から59億5,400万キロ離れているというのに、内部に自身の心臓を持つ。

水の氷で形成された山がそびえ立つ
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蛇の鱗のような奇妙な光景
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着色された冥王星の全貌
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太陽の光を受けて青く輝く大気
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冥王星が存在する太陽系の辺境はカイパーベルトと呼ばれており、冥王星以外にも天体がある。

現在、ニューホライズンズがカイパーベルトの奥深くへと進入している。目標は冥王星から16億キロ離れたベルト内の天体2014 MU69でフライバイすることだ。

ニューホライズンズの次の目標2014 MU69
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太陽系の辺縁にはもう1つ天体が存在するかもしれない。そこでは”第9番目の惑星”が1万から2万年の周期で太陽を公転している可能性があるのだかもしれないのだ。

現時点ではそれを証明する直接的な証拠は得られておらず、専門家による調査が続けられている。つまり将来的に太陽系についての理解がどう変わるのか、誰も分からないということだ。

第9番目の惑星の想像図
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via:The solar system/ translated hiroching / edited by parumo

美しい太陽系の動画

 

記事・画像 引用・参考元 karapaia

http://karapaia.com/archives/52232146.html