人気店ほど陥る? うまいラーメン屋が店舗拡大に走ると急にまずくなるワケ
「そこそこうまい」と評判のラーメン屋にたまたま立ち寄ったら、「普通においしい」どころか、「むしろまずい」――そんな苦い経験、誰でもしたことがあるはずだ。
月に40杯はラーメンを食べるというあるラーメンブロガーも、自身のブログで以前「おいしい」と高評価した東京・港区にあるラーメン屋の味が落ちていて、ガク然としたという。
「そのとき作っていたのは創業店長ではなくて、外国人スタッフ。見れば、湯切りは甘いし、スープもぬるいし、炙りチャーシューの筈が炙っていない。数カ月前においしいと思ったラーメンとはまるで“別物”になっていたんです。飲食業界の人手不足も極まれりと実感しましたね」
2016年11月の有効求人倍率(季節調整値)が1.41倍に対し、職業別では、「調理」が3.13倍、「接客・給仕」が3.69倍となっている。飲食業界は、それだけ人手が足りていないというわけ。東京・渋谷区のあるラーメン屋店長も、こう言ってボヤく。
「もともと“3K”職場ですからね。日本人のアルバイトは長続きしないことが多いし、かといって時給を上げ過ぎたら、商売が成り立たない。人手を確保できずに廃業した同業者もいますし、外国人に頼らざるを得ない。豚肉禁止のイスラム教徒が豚骨ラーメン屋で働いている、なんて冗談もあるほど。実際には外国人の方が仕事熱心だったりしますが、仕事をサボる、手を抜くヤツがいるのも確かです」
■店舗を拡大し始めると……■
口コミで話題になり、マスコミにも取り上げられて行列ができる店に。そんな人気ラーメン屋が2店、3店と店舗を拡大し始めた頃に味が落ちやすいという。“B級グルメ王”の柳生九兵衛氏は「ラーメン屋に限った話ではありませんし、店によりますが」と前置きして、こう言う。
「業界の人手不足は慢性化していますし、創業者が人任せにした途端に、まずくなるというのは、ままある話です。雇われ店長が調理師上がりで、いずれ自分の店を持とうと考えていたりすると、創業者の目が行き届かない隙に『この方がおいしいはず』などと、実験的に自分の味に変えてしまうケースもある。中には、こっそり食材の質を落とし、差額を懐に入れる不届き者もいるそうです。スタッフも客も、創業者に心酔しているカリスマ店は人材も育ちますが、人任せで、なあなあ感が強い店は、バイトの入れ替わりも激しく、味が落ちやすいといえます」 常に「スタッフ募集」の張り紙がしてあるラーメン屋は、評判を疑ってみた方がよさそうだ。
記事・画像 引用・参考元 nikkan-gendai
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