備長炭を練り込んだ真っ黒いラーメンは一体どんな味なのか
備長炭を使った焼鳥、と聞くとなんだか圧倒的に美味しそうに感じる。段違いに高級感がある。備長炭を部屋に置いておくと脱臭効果があるとか、水の中に入れるだけで美味しい水になるとか、そういう話もよく聞く。「すごく良さそうなもの」としての印象が強い!
■備長炭発祥の地で食べられる謎メニュー「備長炭ラーメン」■
その備長炭の発祥の地は和歌山県の田辺市だという。江戸時代、田辺市に住む“備中屋長左衛門”が作り始めたのが最初で、備中の“備”と長左衛門の“長”をとって備長炭という名がついた。主にウバメガシという木を使って作られた炭で、火力が高く、燃焼時間も長い上、大量の遠赤外線を発するため、肉や魚を美しく素早く焼き上げることができる高品質な炭として料理人の間で重宝されている。備長炭の製法は江戸時代より紀州藩の機密事項とされていたそうで、当時から「紀州備長炭」というブランドとして認知されていたとのこと。
田辺市秋津川にある「道の駅 紀州備長炭記念公園」は、「紀州備長炭」をテーマにした施設で、併設された「紀州備長炭発見館」では、紀州備長炭の歴史や製作工程について知ることができる。
紀州備長炭の特徴はその硬度。叩いてみると、金属を叩いたようなキンッという音がなる。鉄琴のように紀州備長炭を音階順に並べた「炭琴」という楽器も存在するほどだ。
売店には「炭琴」のCDが売られていたり、備長炭を練り込んだラーメンが名物になっている。・・・・・・・・
麺の堂々たる真っ黒さ 遠方から食べに来る人も
一見したところ、普通のラーメンに見えなくもない。
しかし麺を持ち上げてみると堂々たる真っ黒さ。
早速麺をすすってみたところ、炭の味は……わからない。いや、後味の最後の最後にほんのりとほろ苦い風味が残ったような気はするのだが、目隠しして食べたらまったく気づかなそうな感じ。
それよりも、麺のもちもちとした弾力のある食感が良い。シンプルな醤油ベースのスープとの相性もよくて、初めて食べるのにどこか身近に感じる庶民派な味わいのラーメンである。
備長炭を練り込んだ麺の持ち帰りパックも販売されているのだが、それを見ると、茹でる前はそれほど黒くはない。「田舎そば」ぐらいの色合い。
お店の方に伺ってみると、備長炭ラーメンの麺は、粉末状にした備長炭を生地に練り込んで作ったもので、地元の製麺所から取り寄せているという。また、食べてもお腹を壊す心配はないとのこと。その見た目のインパクトから、備長炭ラーメンを食べに遠方から来る方も多いそうだが、「意外とクセのないあっさりした味だった」という感想が大半だという。
店内で出している冷水もボトルに備長炭を入れて出されるのだが、この水が驚くほど美味しく、紀州備長炭のパワーをまざまざと感じさせられた。
「紀州備長炭発見館」では紀州備長炭を使った風鈴作りの体験プログラムもあったりして、私も涼し気な音色の風鈴を作って持ち帰らせてもらいました。
和歌山県田辺市の近くにお越しの際は立ち寄ってみてください!
取材協力
店舗名:道の駅 紀州備長炭記念公園
住所:和歌山県田辺市秋津川1491-1
営業時間: 9:00~16:00
定休日:水曜日
記事・画像引用・参考元 Excite News<Bit>
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