【食べもの考】 昔の個人営業の豆腐屋さんは1日で売り切れる豆腐を製造した!

【さくら紀行】

昔は夕方になると、自転車に台を付けて、「プー!プー!」とラッパを鳴らして豆腐屋さんがやってきた。小生の家の近所にも豆腐屋が2・3軒あり、当日製造した豆腐は、その日のうちに売り切った。今はスーパーや、CVSには、パックに入れられた豆腐が陳列されている。

豆腐は本来日持ちしないものであった。だから豆腐屋さんも、その日に売り切れる量を作ったのだ。今の豆腐の賞味期限は驚くほど長い期限が打たれている。

普通のパック詰豆腐の保存期間⇔約5~7日 普通にパックに入れられている豆腐は、豆乳温めから凝固剤を入れて固めたもので密封されておらず菌が繁殖しやすい。

充填豆腐の保存期間⇒ 2ヶ月程度(未開封の場合)⇔ 充填豆腐とは、豆乳と凝固剤を予め密閉された容器に入れた後加熱処理して固められたもので、無菌状態となっており長期保存が可能となっている。
【充填豆腐の保存期間】⇒2ヶ月程度(未開封の場合)⇔ 充填豆腐とは、豆乳と凝固剤をあらかじめ密閉された容器に入れた後に加熱処理して固められたもので無菌状態となっており長期保存が可能となっています。

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昔の個人経営の豆腐屋さんの前を通ると豆を煮る臭いが漂っていた。おからも沢山並べてあった。今はそんな光景が見られなくなった。どうしてか、今の豆腐は必ずしも大豆を潰して豆乳を取り、この豆乳をもとにして、豆腐を作らなくても出来るからだ。現在は「脱脂大豆」から大豆タンパクを取り出すようになった。これを溶いて固まらせれば、豆乳を作る過程を経なくても豆腐は出来る。ただ味の点で難があるので、豆乳を少し入れるとか、化学調味料や、乳化剤を添加する場合が多い。

また大豆タンパクで作った豆腐は脂肪分に欠けコクの無い豆腐になる。また水分も多い傾向になる。にがりで固めると、硬くしまってしまうため、原料の大豆を多くしなくてはいけなくなるため、ソフトにしまるように、硫酸カルシウムなどの凝固剤を使う。パック豆腐では、ゼリー状に固めるために、グルコノデルタラクトンという添加物が使われる。

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昔と違って、現在は、多店舗展開をしている量販店や、CVSで豆腐が売られている。卸している業者は、全店に卸している(したがって町の豆腐屋さんは廃業の憂き目に遭ってしまった)から、昔の個人経営の豆腐屋さんみたいに、その日で売り切れる量の生産では対応できなくなるから、日持ちするように添加剤を入れるしかなくなっている。

今では昔の豆腐ような大豆の匂いがしない豆腐とか、コクのない味気ない豆腐になってしまったが、(海外でも豆腐はブームになっているが)皮肉なことに、海外の豆腐の方が本来の豆腐に近いとかいう皮肉な現象が起こっているという。

食べることは生きることの基本の1つである。それだけに、どういう過程を辿って食品が作られているかなどにも注意を払い、少しでもまともなものを食べるようにすることが必要だと思う。

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