長生きも短命も「何十年という間、毎日続けてきた食生活の良し・悪し」にあり!
近藤正二東北大学名誉教授(1893-1977)は、1937年~1972年までの35年間、北は北海道の端から、南は沖縄の八重山群島に至るまで、全国津々浦々の市町村990ヶ所を訪ね歩き、70歳以上の人が多くいる村を長寿村とし、若死にが多く満70歳を超える人の少ない所を短命村と規定し、その土地の住人の食生活の現地調査を行いました。その結果を「日本の長寿村・短命村 ― 緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める」という論文にまとめました。
近藤教授の研究姿勢は、「物事は机上で考えて結論を出してはなりません。実地に、実例を集めてみなければ結論を出してはいけない」と、35年間、全国くまなく、長生き村と短命村を訪ね歩き、実地に捕らえて、結論を得ました。机上であれこれ仮説を出すものではなく、実際に現地に足を運び、長寿・短命の要因を、住民から、聞き取り、実際の生活を観察し、結論を得たのです。
須坂市 「私たちの健康は私たちの手で!」
食生活改善推進協議会 食事改善 伝達講習講習会
教授は「長生き村になったのも、短命村になったのも、一番の決め手になる原因は、若いころから、長い間、何十年という間、毎日続けてきた食生活にあります。一言でいうならばそういう結論です。これは私自身、食生活は関係ないとは思いませんでしたが、まさか決め手になる原因とは、私自身も予想していませんでした」と述べています。
教授は現地調査で得たものを、自らの生活に取り入れ実践し84歳の長寿を全うされました。研究や自らの実践によって得た、教授の掲げる「長寿10則」を以下掲げます。
- 正しい姿勢・・仕事、読み書き、食事など正しい姿勢を保つ。
- 明るいところで仕事を行い、寝るときは暗いところで寝る。(真っ暗な状態で寝ることが好ましい)
- 良い空気を吸うこと。窓を閉めたまま火を起こすことはよくない。締め切った部屋での喫煙(今は喫煙自体良くないとされるが)、掃除は避ける。布団を被った状態での睡眠もよくない。大気汚染の少ない場所で暮らすのが理想的だが。
- ある程度の快適な気温を確保。暑さ・寒さもほどほどの気温に身を置くこと。暑過ぎる、寒すぎる環境はやはり体にはよくない。とはいえ自然が作り出す気温故、そうそう理想的とはいかないが、出来る限り自然な方法で防寒、防暑の対策を立てる。
- 日光浴・・天気の良い日は日光を浴びる。
- 小運動を毎日・・歩くだけでいいから毎日実行。
- 安眠と休養を充分に・・ストレスなどで寝不足は体に毒。質の良い睡眠を確保。疲れや精神的な疲労は、充分な睡眠によって、その日のうちに回復させる。
- 鍛錬を忘れずに・・寒さ・暑さに対する鍛錬、同じ散歩するにも、起伏のあるコースにしたり、ラジオ体操をしたり、日常の中に鍛錬を取り入れる。
- 合理的で清潔な生活を心がける・・(例えば)単に風呂に入るだけでなく、適正な温度、入り方(半身浴など)を工夫する。洗濯も洗剤なども勉強して体に良いものを使うなど。また、生甲斐を感じることが出来るものを持つ。アイデンティティ(人の役に立っているとか、自分が必要とされているとか)を!
- 正食を心掛ける。
教授の心血を注いだ一番のポイントは、最後の項目(正食)であった訳だが、これについては順次掲載していきます。
※中島孝司著 「誤食の恐怖 食べるなそれが生命を縮める」 展望社 参照。
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