【健康】 住環境からも健康を阻害する要因が立派(?)に存在する!
市内を車で走っていたら、「無添加住宅」という看板が目に入った。「!?!?!?」 添加物とは、加工食品の世界の話ではないのか!? どうも住宅とは結び付かない。
日本では、従来から、木材を使った住居で暮らしてきた。木の香りや、湿度の調節をする健康効果が高い、いわば自然がそのまま住居になっていたと言っていいだろう。
しかし折角の木造住宅であっても、現在においては、木造の利点が生かされていない。現在の日本の住宅の内装は、コストの削減するため、安価な「塩化ビニール壁紙(クロス)」を多用している。壁、天井は、言うに及ばず、フローリングとばかり思っている床さえも、殆どが「木目印刷の樹脂シート」が使われている。
いわば現在の日本人は、「塩化ビニールの袋」の中で生活しているという状況になっている。火災に遭い多くの人が亡くなっているが、どうしてさして広くもない空間から外に避難できないで死に至るのか不思議だったが、焼死者の多くは、塩化ビニールから出る有害な煙を吸って亡くなっているのだと知った。
日本では内装材と言えば、ホワイト系ビニールクロスを使うのは当たり前という感覚になっているが、それは日本がそうだという事で、外国ではまったく事情が違っている。EUを例にとっていえば、ビニールクロスなどは殆ど使わない。特に、病院や学校などの公共施設では、使用そのものが法律によって禁止されている。[食品添加物もEUでは20種くらいの認可で非常に制限されているが、日本では1500種ほど認められているのと似ている]
ビニールクロスは何故いけないのか? ① 湿気を吸ったり、出したり、木材と違い所謂呼吸をしないので、結露しやすい上に、特に冬場は暖房で湿気が出やすく黴の発生に結びつく。黴の胞子が空間に漂い、喘息やアレルギーの原因となる。② ビニールクロスは「可塑剤<加工し易くする為に使う添加物>」として、フタル酸エステル系の「ジオクチルフタレート(以下DOPと称す)を使っている。このDOPは生殖に異常をきたす環境ホルモンとして知られる有害物質で、その上発がん性もあると報告されている代物である。[フタル酸エステル→台所用品などにも使われている]
DOPは揮発性があり、当然室内に流れ込んでくるから、それを吸いながら日常生活を営んでいるという事になるから、微量とはいえ、健康に害があることは想像に難くない。EUでは、DOP自体の使用を禁止する方向にある。[塩化ビニール製の玩具なども製造をストップの方向にある]
一方我らが日本の行政当局は、2003年に9種類の可塑剤について、「内分泌攪乱作用は認められず心配ない」とする研究結果を発表している。こうしてEUとは逆にDOPが添加された資材の数が増えていく。斯くして現在においても、壁、天井、床からDOPが揮発する可能性が心配される空間に暮らし続けている。
日本でもこういった点を心配し、「健康に良い空間」を追及する建築業者も少なからず存在する。まずビニールクロスを一切使わず、代わりに、和紙クロス、布クロスを使う事を徹底している。既にビニールクロスを使ってしまっている場合でも、和紙、布クロスに張り替えることは可能だ。またビニールクロスの上から、土や石灰を塗ることも可能である。
ビニールクロスは、見た目が綺麗で、しかもコスト削減(業者から見れば利益確保)が出来るので、多くの建築現場で使われているが、健康を損ない、また火災などで有害物質を吸い込んで死亡しては何にもならない。住宅は一生もの、昔から使われ、日本人に馴染みのある「和の天然素材」を見直す時が来ているのではないか!
「住」の部分でも、「食」と同じような添加物の問題があることが解かった。「衣」の部分でも、天然繊維の占める部分は増々狭まり化学繊維が殆どという状況にある。という事になれば、衣・食・住という、人が関わる全ての環境から、健康を脅かされているという事だ。
特に我等が日本の行政当局は、制限する方向ではなく、逆に使用を拡大する方向にあるだから我々は無知であってはいけない! 事実健康を損ない、原因不明の病気が多発し、がんなどの発症が拡大傾向にあり、その結果医療費が掛かり過ぎるなどと嘆いている(お上は原因を作って、結果を嘆いているんだからどうしようもない!)が、そんな要因となり得るものを認可していることが原因ではないのか? 国民に目を向け、国民の健康を守るという視点が希薄なことが諸問題の発生に繋がっている。
画像元 yjimage
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