ミネラルが決定的に欠乏している現代人!健康維持・向上は至難の業!
フランスのアレクシス・カレル医学博士は、「土は草を作り、草生動物を作り、最後に土はヒトを創る」と言っている。また、山下惣一(農家のとっちゃんで、日本農民文学会員で著作も多い)は、「生物とその生息している土地、環境とは切っても切れない関係」にありとし、「身体と土は一体である」であると唱えている。
我々は「母なる大地」にしっかり抱かれ、大地を離れては1日も生きていけないのだが、現代人はそれを全く見失っている。土に対しての関心を全く無くしている。我々の祖先は、土を充分に耕し、畑を作り、作物を育てて来たが、土に関心を持ち大切にしてきた。土を耕すという事は、土に空気中の酸素や、窒素を採り入れ、堆肥や金肥をふんだんに取り入れ、肥沃な土にし栄養たっぷりの作物を作って来たのです。また作物によっては、土からの養分を強烈に吸い上げてしまうため、連作をせず、元の土に戻るまで耕作を敢えてせず土を休ませたのです。土を耕すとはそういう事で、転化して「文化」という意味にもなっているのです。
しかし大量消費の時代を迎え、農業も経済的な要請に応えざるを得なくなりました。それは「増産!増産!又増産!」が掛け声となり、それを基に、連作が強行されていきました。連作により、土は休む暇がありません。それを解決する為に、化学肥料の投入が始まり、また虫害や病害を防ぐために、農薬が登場しました。
連作の弊害はどんなものか。同じ作物を同じ土地で作り続けることを連作というが、それによって、作物が育つに執拗な養分が枯渇してしまうのです。作物は成長する為には、根酸というものを分泌して、根を張り出させ成長していくのですが、この酸によって「土の性質」が変化し、特定の病害虫や病原菌が蔓延ってきます。これに加えて気象条件も加わって連作障害が起きるのです。
昔の農民は、これを「作物が土を嫌い、病害虫が発生する」と考え、その畑を休ませるか、違う作物を作る対応をしたのです。しかし現在の農業は、そんな悠長なことを言ってられない宿命を負わされているのです。「必要とする農作物を、安価で、大量に、年中供給せよ」という要請を受けているのです。
それを推進させる為に、補助金を出し、それらを推進させてきました。嫌が応でも「連作による連作」ならざるを得なかったのです。
その問題を解決させるために、養分は、化学肥料で補い、病害虫や、病害菌に対しては、その年の農作業が始まる前に、土壌消毒剤を散布し殺してしまいます。しかしこの消毒剤は猛毒で防毒マスクを装填しないと自家中毒を起こしてしまう代物です。これにより土は完全に無生物状態になってしまいます。
しかしこの病害虫や、病害菌の中には、この毒性にもめげずに「耐性」を持ってしまうものが現れます。このため一層毒性の強い薬剤を撒く必要が出てくるため、鼬ごっこになるのです。またそういう問題に加え、別の問題も起きてくるのです。例えば根菜類の根を荒らすセン虫を駆除すると、根腐れの原因となる他の生物が大量に発生してしまうのです。(人間にとって害虫でも、それぞれが影響しあって自然界はバランスをとっているのです!)今まで自然に培われた生態系が、人間の都合で壊されていると言っていいでしょう。
こういったある意味不自然な土になると、肝心な栄養分がまともに摂れなくなるという皮肉な結果を招いてしまいます。即ちニンジンならニンジンが本来持っている栄養分即ちミネラルが保持できていないものになってしまうのである。例を挙げると、ホウレンソウに含まれるビタミンCは、1950年の成分表では、150mg/100gであったものが、1982年には、63mg/100gと激減しています。また鉄分は、13mg/100gから、3.7mgと、75%減している。あと省略しますが、殆どの農作物が同様な激減状態にあります。
ここに現在の食生活を営む際の根本的な問題が存在するのです。摂るべき栄養素が満足に摂取できず、健康保持が大変難しい時代になっているという事なのです。食材のレベルでこういう問題があり、また加工を他人の手に任せることにより、商業流通上の問題や、コスト面や省力化、効率化などの面から、添加物などの問題に派生し、一層の食に対する問題が重なって、我々の健康を脅かす原因となっているのです。
がん治療の特効薬は「ミネラル」だった! 崔昌禄 著 参照。
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