美しい国日本は消える運命か!?都会のサラリーマン 田舎の実家の田んぼと畑はどうする?
田舎でひとり、先祖代々の土地で農業を営んでいた70代の父親が亡くなった。一人息子の自分が葬儀を済ませ、東京に戻ろうとした矢先、叔父から「田んぼはどうする?」と問いただされた――。困った。自分は都会で働くサラリーマン。さて、どんな対応策があるのか?
まず、真っ先に思い浮かぶのは、田んぼや畑を誰かに「貸す」こと。親戚のオジサンや、若手の農家で大規模農業をやっている人などに“借りてもらう”ことができれば、手っ取り早い。
「農家間で直接、田んぼや畑を貸し借りすることを、我々は“相対”と呼んでいます。田舎では相対でやってもらうケースが多い。賃料として、田んぼ1反(約302坪)に付き年間コメ2俵(約120キロ)を支払う――などの直接契約です。だけど、最近は、“ウチの田んぼや畑で何か作ってほしい”という農家がどんどん増えている。農業従事者の高齢化と後継ぎがいないのが理由。ウチだって誰かに作ってほしいのに、借りたい農家は限られている。借り手を探すのはかなり大変な状況です」(福島県の小規模農家)
中には使用貸借といって、借り手に賃料が生じない賃貸契約もある。農地は耕作しないと土地が“死んでしまう”。それを避けるために、畑をタダで貸して耕作してもらうパターンだ。
■農地価格は田んぼ1反で平均120万円■
国に頼る手もある。農水省の「農地中間管理機構」がそれだ。同機構の出先機関は各都道府県にあり、主に“農業公社”の名称で、農地を貸したい人、借りたい人の相談に乗っている。
「この制度は2014年にスタート。自分で耕作しないので農地を貸したい人と、逆に農地を借りて手広くやりたい人をマッチングさせる役割を担っています。個人の相談も受け付けています。17年度は、当機構が借り入れた農地は約4万3546ヘクタール、貸した農地は約4万6540ヘクタールでした」(担当者)
貸し借りが逆転しているのは、これまでに借りた農地がもっとあるから。あまりに規模がデカ過ぎてピンとこないが、東京ドームが4・67ヘクタールだから4万3546ヘクタールは、約9324個分。全国規模とはいえ、貸したい農地がかくも大規模とは驚きだ。
地元の農協に相談することもできる。JAによると、農地の貸し手と借り手の橋渡しをするため、「全国の340のJAで農地利用の相談窓口がある」(広報担当者)という。同級生や先輩など、農協勤務の知り合いがいたら、連絡してみるといい。
先祖代々の農地だが、売ってしまいたいという人はどうする?
「管理機構にも“売りたい”人からの相談があります。件数でまとめてはいませんが、17年度は、買い入れ分が6367ヘクタール、農家など担い手に売った分が8370ヘクタールありました。農地を売りたい場合は、まず市町村役場や農業委員会に相談することです」(前出の農地中間管理機構担当者)
全国農業会議所のまとめによると、農地価格は23年連続で下落中。全国平均は、田んぼで1反あたり120万7000円。北海道は25万円、東北で58・6万円、関東は156・4万円など地域格差が大きい。平均価格が高いのは、東海、近畿エリアだ。
もっとも、農地を売買するのは簡単ではない。食糧自給の観点から法律で厳格な制限があるため、地域の農業委員会の許可が必要。不動産屋で気軽に、「売りま~す」と言っても笑われるだけだ。
(私見)
問題はかなり前から出されているのに、政策不在、放置。日本はどんどん堕ちていく。
記事・画像 引用・参考元 日刊ゲンダイ
画像元 yjimage
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