現代農業の問題点 生体の健康に逆向きにならざるを得ない宿命! 

ド素人農業日誌

無農薬の有機野菜なら、おいしく、健康的なのに、今ではこんな農法は例外中の例外になっている。例え味は良くても、病気で不作に陥ることもある。すると近所の百姓の親父がこう言う。「農薬を使わんと今の野菜は採れないよ。昔はそんな事なかったけどなあ!」

これはどういうことを意味しているか? 「緑の革命」=≪収穫が上がるハイブリッド品種を作り出すこと≫によって、作物の種が昔と今では異なっているからだ。全ての農作物の種はハイブリット仕様になっている。しかしハイブリッドには大前提がある。それは農薬や、化学肥料を使えば収穫量はグーンと上がる。しかし使わなければ病気にもなるし、害虫にもめっきり弱いという代物である。種そのものが弱いからだ。これで大体の農家は、農薬と化学肥料を使わなければならない事態になる。そうしなければ、量も取れないし、形の良い(虫食いなどがない)ものが採れないのだから、売り物にならないからだ。

それじゃあ!ハイブリットの種ではなく、昔の種を使えばいいじゃないかと思うかも知れないが、それが簡単にはいかない仕組みになっているのである。因みに朝顔の種を買ってきて花を咲かせてみるといい。なるほど1年目はきれいな花が咲く。それに気をよくして、自分で種をとって、次の年に蒔いてみて欲しい。今度は恐ろしく貧弱な花しか咲かない。このように今は一代雑種というのになっていて、1代だけは立派に咲くが、2代用の種を採取しても上手く育たないようになっているのだ。嫌でもまた種を買わなくてはならないのである。斯様に農作物は農薬と化学肥料なしでは育たない弱い品種に成り下がっている。

日本在来種は、穀物でも、野菜でも日本の風土に合っているだけに病害虫にも強い。これだと有機栽培、無農薬栽培が可能だが、こういう種は、いまでは農水省の研究所に保存されているだけで日の目を見ない。

新種の害虫・土壌細菌の状態の悪化[ミミズなども棲息できない土壌になっている]問題が加わる。作物は、年中、大量に生産することを要請されており、連作に次ぐ連作で、土壌を休ませる余裕もなく、土壌は劣化する一方となる。だから害虫や病原菌を防止するために農薬・消毒剤などが必要になるし、土壌は痩せるから、手間のかからない化学肥料を投入する。また農作業の手間を省くために、面倒な草刈りをしなくて済む除草剤を使う。斯様に種そのものや、やせ細る土壌を何とかするために、農薬と化学肥料なしでは成り立たなくなる。すなわち現代農業は、生体の健康にとってマイナスになる問題を根源的に持たざるを得ないという宿命を負っているのである。

 

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